指板の修正

指板の修正

ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス のシバンに使われている黒檀はとても硬い木材なのですが、使っている間に弦が当たる場所などが削れてゆくことがあります。そうするとどうなるかというと、音の立ち上がりが悪くなる、音程が取りにくい、また弾く時にビビリ音がでる、などの症状が出て来ます。また経年変化により指板の剃りが出てくることもあります。特にネック材より駒側が下がってしまいネックとボディーの付け根あたりが膨らんでいるようになる時があります。この場合もビビリ音がでることがあります。


このような時は指板削りの修正が必要になります。指板を削る時は特定の箇所だけを削るのではなく指板全体にカンナをかけます。指板は一直線に仕上げるのではなく元の一番上ナット寄りと一番駒寄りを押さえた時にヴァイオリンで 0,5mm〜1,0mm、コントラバスで1,0〜2,0mmほどのたわみをつけます。そうすることでビビリ音を出なくしているのです。また一見問題のなさそうな指板でもカンナを当ててみると意外と歪みのある場合があるのでそれをチェックするためにも指板の端から端まで大きくカンナをかけるのです。

カンナをかける時には凸凹を覗くのはもちろんですが同時に指板の形、カーブをどのようにするか考えながら削ってゆきます。



かんなをかけ終わったら指板のRのついた形の道具を使いヤスリがけをして仕上げてゆきます。#80の荒い布ヤスリから始めて#120→#150→#180→#220→#320→#400、そうして最後にはスチールウールにリンシードオイルで磨き上げます。リンシードオイルを塗ることで美しくかつ皮膜を作ることで指板の保護にもなるのです。そのあと上ナットの高さ調節、指板のエッジ修正をします。




しっかりと仕上げられた指板は音もはっきりとして立ち上がりも早く弾き心地も良くなります。

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